病的近視における脈絡膜新生血管の活動が再開してしまった-経過報告と今の私の思い

はじめに
 2022年9月3日に、この私のブログ上で「病的近視における脈絡膜新生血管増殖が収まった-眼科医療から離れないことの大切さを実感!!」という記事を書いたのですが、そのすぐ後に、新生血管の活動が再び活発になり、その影響で、私の眼の見え方(視力だけでなく、視野や暗い所での色の見分け)が微妙に落ちてきてしまいました。この4ヶ月、その対応に振り回されて、「もっと見えなくなるのではないかという不安」に、精神的にも振り回されて、「増殖が収まりました」という記事を書いたことも振り返るゆとりがなかったのですが、少し自分の気持ちを整理するために、前の記事を読み返して、今について書いておく必要があると感じて、この記事を書くことにしました。
 進行性のある眼科の疾患の進み方は、とても大きな個人差があるという知識を持っているので、この記事は、あくまでま、自分の記録ですし、私の一つの例として見ていただきたいと思っていますが、同時に、眼にハンディを持っているロービジョンのある方達に、何かの手がかりになってくれたらなとも思っております。

 

1 再び新生血管の活動が活発になって5回目の注射を受けた
 2022年9月の初めに、4回目の注射で新生血管の活動が収束したらしいという主治医の判断があって2週間ほど経った頃から、左眼の見え方が、またおかしくなってきました。今度は、歪みが出るというのではなくて、視界の右上の方に、ビニールをかぶせたようなモヤモヤが出たり、文字を読んでいると、文字列の一文字・二文字が抜け落ちて見えるようになったのです。
 明らかに今までの見え方の異常とは違っていましたが、「何か異常を感じたらすぐに連絡するように」という主治医の指示に従って、9月30日に受診し、検査を受けたところ、新生血管の活動がまたはじまっていました。

9月30日のocr画像 はっきりと盛り上がった山が写っている。
9月30日のOCT写真

それで、10月4日に5回目の注射をして、10月7日に、注射後の状態の検査をした所、幸いな事に、盛り上がった新生血管の山は、収まってくれていました。

2 残念見え方に影響が
 5回目の注射で、新生血管の活動は収まったのですが、視力検査では、今まで0.15出た視力が0.1しか出なくなり、暗い所での色の見分けがつきにくくなったり、マンションの郵便ポストのダイヤル鍵の番号が、電動車いすに座ったままでは合わせられなくなる等、日常生活の困りごとが沢山出てきてしまうようになりました。(その困りごとに対するケアについては、また次の機会にまとめて書こうと思っています。)

10月7日のOCT画像。向かって左側に10月7日の結果(新生血管の山が消えている画像、右に9月30日の画像と比較できるように並べている。)
10月7日のOCT画像

3 見えにくくなった原因は
 新生血管の活動は、収まったのに、見えにくさが増した原因は何なのか、主治医に伺ったり、仕事仲間にいろいろと聞いたりしたところ、新生血管の活動等で、黄斑部にある視細胞が傷ついて、それで見えにくくなっているのだろうということでした。視細胞が完全に死んでしまえば、その回復は望めないのだそうですが、傷ついた程度によって、視力等の回復が望めることもあるとのことでした。新生血管の活動が収まって、視細胞の回復までには時間がかかるのだということでした。
 5回目の注射を打ってからは、ほぼ1ヶ月おきに病院に通い、検査を受けながら様子を見ていました。5回目の注射から約14週間経った2023年1月6日の検査でも、新生血管の活動は認められず、私の視力も何とか0.15まで出るようになっていました。それで、今度こそ収束したのかなと、私は期待していましたが、主治医は慎重で、次の検査は、2023年1月30日に設定されました。

 4 またまた見え方に異常が、そして6回目の注射
 1月30日の検査日の1週間ぐらい前から、また、左眼の視界の右上の方に、もやがかかった部分が出てきたり、少し歪みも出てくるようになって、「もしかしたら」と、私の中では不安が高まりました。検査日、主治医から、再びの新生血管の活動再会を告げられ、画像も見せられ、2月の7日に6回目の注射を打ちました。注射は無事終わりましたが、3日後に行った視力検査では、視力は0.1しか

2023年1月30日のOCT画像、再びこんもりとした山が見えている。
2023年1月30日のOCT画像

でなくて、新生血管の活動部位に、本当に少量だが出血が見られると主治医から告げられました。
 今までは、注射を打つと、新生血管の山は、割に早く収まっていたのですが、今回は、あまり反応が良くないとのことでした。
 どちらにしても、もう少し時間をかけて様子を見る必要があること、新たに注射を打つとしても、1ヶ月は間を開けないといけないということで、次の診察は、3月10日になりました。

 5 募る不安とどう付き合えば良いのだろう
  最初に病的近視による網脈絡膜の新生血管増殖という診断がされたのは、2021年の10月、それから1年4ヶ月経ちました。その間、治療という意味では、今できることが充分になされたと思っていますし、主治医との信頼関係もしっかりあると思っています。
 これは、前から言われていましたが、私の75歳という年齢から考えて、私の症状は、病的近視による新生血管の増殖ではなくて、加齢黄斑変性による可能性もあるのではないかと言うことを主治医もいっていました。が、簡単には判断できる状態ではないようです。もし、加齢黄斑変性からきているものとすれば、今違う注射薬も開発されているので、それを試して見ることもできるとも言われています。
 どちらにしても、今すぐには動けないようです。それらのことを、私なりに頭では理解しているつもりですが、毎日朝起きる度に、「今日は見えているのか」「見え方に異常はないか」、ふと気づくとそんな事ばかり考えている自分がいます。

 私は、長いこと視覚リハ(ロービジョンケア)の普及活動や、支援活動をしてきましたが、今回の経験を通して、見えにくくなる不安、そしてもしかしたらいずれ見えなくなってしまうのではないかという不安に直面しました。
 この経験を踏まえて、今までの支援の在り方では不十分なのだと強く考えるようになりました。
今は、自分の気持ちが整理出来ない状態ですが、その状態を記録しておき、さらに深く考えられればと思っています。
 また、状況がどのように進むのかを報告したいですし、整理出来た所から書いて行きたいと思っております。
 ここまで読んでいただいてありがと宇ございました。