新型コロナワクチン接種予約騒動記

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 私の住んでいる区の新型コロナワクチン接種予約が、5月1日(土)の午前8時半から始まりました。実は、私、超肥満だし7年ほど前、どうも自己免疫が暴走したらしいと推測される「不明熱」で入院したこともあるし、ワクチン接種に伴う副反応のことも怖くて、積極的にワクチンを受けるのかどうか、迷っていた時期もあるのですが、私なりに勉強したり、主治医の意見も伺って、摂取することに決めたのです。
 大阪の急速な感染拡大や東京でも変異株の広がりが連日報じられる中、摂取する覚悟をしたなら、早いほうが良いと思い、インターネットを使って、5月1日に、予約を取るための試みを行いました。
 その騒動記を書きます。

 

 1 予約開始直後のこと

 朝8時半から予約開始なので、パソコンの前で待機していて、8時32分には、予約サイトにアクセスしたのですが、摂取券のナンバーと、私の生年月日を打ち込んで「認証」ボタンをおすと先に進めなくなり、「予約枠がない可能性があります」と言うようなメッセージが出て、「最初からやり直してください」とあるので、「認証」の画面に戻ってやり直して見ても、全然先に進めなくなった。八王子の時に混乱とか、いろいろとニュースを聞いていたので、これは「アクセスが集中していてだめなんだな」と思ったけれど、結構しつこくこだわってしまい、結局30分ぐらい、繰り返しアクセスしてしまった。アクセスが集中しての機能不全なのだと頭では理解しているのに、なぜか繰り返しアクセスしないと気が済まない気持ちになっている自分、一体何がこうさせるのか。「早くワクチンを打ちたい」という気持ちなのか「感染することへの不安か」良く自分でも理解できないが、不毛な努力を繰り返している自分が、ひどく馬鹿に思えた。
 最初に出てきたメッセージも良くないなと後で思う「予約枠がない可能性」だったと覚えているが、これは、私たちを不安にさせる。「アクセスが集中してつながりにくいからもっと後で」みたいなメッセージが、最初からあれば良いのにと思った。

 午前11時頃、もう一度トライして見た。今度は「アクセスが集中して機能がダウンしている。今日中には回復する見込み」と言うようなメッセージが出ていたので、アクセスを諦めた。
 ちょうど良いことに、午後からデーサービス施設に体験に行く予定だったので、そのことで、気持ちを切り替えられた。
 

 体験先の施設に来ておられた高齢の利用者の方は、スマホを持ち込んで、ちょっとした間で、何回か、アクセスを繰り返しておられるのにはびっくり。その方は「家に病人がいるので、早くワクチンの接種をしたい」という切実な気持ちがあるらしかった。結局、その方もアクセスできなかったようだ。
 とにかく、みんなすごく不安なんだと思う。「ワクチンの数には余裕があるので、焦らずに」と言うようなメッセージがサイトには出ているのだが、それでもやっぱりみんな不安なんだと思う。

 2 深夜のアクセスはスイスイ

 いろいろな情報を聞くと、夜遅くになれば、アクセスは楽で、予約が取れるとのことだったので、その日は、午後7時頃にお酒を飲んで、寝て、ちょうど0時頃目が覚めたので、午前1時頃にアクセスして見た。
 今度は、スイスイと進んで、集団接種会場で6月に入ってからの予約が取れて、予約確定のメールが到着。ほっとして寝ようと思ったときに、「できれば個別会場で、私のかかりつけの先生がいるところで取れないだろうか」という気持ちが強くなった。そこで、一度取った予約をキャンセルして、取り直しを試みたけれど、私が望んだ会場は、8月ぐらいまで見たければ、全然開いていなかった。民間病院だし、1日の接種も15人ほどだと聞いていたので、「無理だな」と判断して、もう一度、集団接種会場で予約を取り直して見た。ラッキーなことに、キャンセルしたのと同じ内容で予約が取れ、一安心、夜中の2時を過ぎていた。
 やはり夜中ならサクサクと取れるのだなと思ったけれど、早い時期の接種だとか、望んだ会場の接種となると、早く予約しないと無理なのだと分かった。早い者勝ち、ネットができる人が予約が取れるというのも、なんだかすごく変な気がする。

 3 一番ハンディがある方に不公平なシステム設計

 コールセンターへの電話での予約は、もっと大変なんだろうと思うと、高齢者は、ネットのできない方の方が一般的だと思うし、この頃独居の方も多くて、簡単に子供や孫に助けを頼めない方も沢山いると推測されるのに、このやり方、やっぱりひどくおかしい気がした。だって、本当に立場の弱い人が、損をするシステムだと思うのだ。

 新型コロナの感染拡大の事態を災害と同じだという考え方がある。災害対策も、高齢者や障害のある人に決して充分な対策がなされていなくて、今整備が急がれている。ワクチン接種予約のことも、同じだと思い。
 やっぱり、高齢者の事情や、障害のある方の事情、ワクチン接種の現場の事情、それらについて、あまりにも知らない方達が、机上で計画を立てて、周りに押しつける。これでは、とてもうまく行かないし、ハンディの大きい人ほど取り残されてしまう。そんなことをつくづく考えさせられた。