広島ですばらしい会に出会った

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自立を進める会会長と講演後記念撮影

 写真は、9月4日に広島で,「視覚障害者の自立を進める会」の会設立20周年記念に講演の講師として呼んでいただき、講演終了後、会の会長と記念撮影させていただいたものです。

 この出来事がとても刺激的だったので,久しぶりにブログに書きたいと思って、以前いつプログに記事を書き込んだのか確認したら、2ヶ月以上私は,記事を書いていないことに気づいて唖然とした。
 画像をどのようにアップロードすれば良いかも忘れていたぐらい、そんなに長いこと記事が書けなかったのだ。

  さて本題に戻そう。
  もう半年ぐらい前になるのだが,広島の「自立を進める会」の会長さんからメールが来て、「20周年のイベントで講演して欲しい」との依頼があった。この会では、ちょうど10年前に「高知での視覚リハシステム構築」の事を講演させていただいた事があって、また呼んでいただいた事に感激して,依頼をお引き受けした。

  私の講演のテーマは、「支援とリハビリテーションと自立について考える」と言う堅いテーマだったけれど,但し書きに「同行援護の事を通して考える」と書いたのがあたったのか、20周年記念イベントだったからか、台風12号の影響も少しある中、100人以上の方が集まってくださって、その多くが視覚障害当事者だと言う事にも驚かされた。

  講演の終わった後、第二部で「みんなの広場」と題する会員の交流会が行われて、私はそこにも参加させていただいたが、そこでは,出席した方たちが,近況を一言ずつ話すのであるが、その体験談の多くが「この会に出会って,人生が変わった」とか「見えなくなってから,歩行訓練を受けて一人で歩けるようになって,とても良かった」と言うものだった。

  この会の起こりが「見えなくても一人で歩きたい」と言う一人の女性の「歩行訓練を実現する会」からだと聞いて、「なるほど」と思ったのだが、「どうしても一人で歩きたい」と言った当事者の方に対して「白杖できちんと歩かせて見せる」と言い切った一人の歩行訓練士の方がいて、「全然見えない人が本当に一人で歩けるようになるのか,確認する」と言って,歩行訓練をつぶさに見て、その成果に驚いて、そして現在支援者の中心になっている方がいて、その方達の熱気が,今も生きている会だと言う事を知り,またまた感激した。

  この会が発足した20年以上前は、ガイドヘルパーをはじめ視覚障害者に対するサービスは,今ほど充実していなかったから、視覚障害当事者も,そして支援をする側の専門家も、リハビリテーション効果を実証しよう,何もないところから,何とか何かを作り出そうと言う,そんな意欲に充ち満ちていたのだと思った。

  この初期の頃の意欲、それから視覚障害当事者の方たちの「見えていた時できていた事を,またできるようになりたい」と言う熱意のようなものが、今残念ながら受け継がれていないのだ。どうしてそうなったのだろう。中途視覚障害者が高齢化したからか,訪問しての歩行訓練なども昔に比べて普及したから、こんな開拓者精神はいらなくなったのか。厚生労働省の方が言うように、「視覚障害者の問題は解決済み」なのか。

  いや,そんな事ないはずだ。今でも,視覚リハを必要としている方たちは,沢山いるし,それを何とかしないと行けないし。
  この会に出させていただいて,私は,改めて視覚障害リハの必要性を,出席した当事者の方たちから教わり、そして、「当事者からも,支援する専門家からも失われてしまったように見える開拓者精神」をどのように呼び覚まし,継承して行けば良いのか,つくずく考えさせられた次第である。