やる気と浮力とリハビリテーション

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  4月30日の「ダイエットにはなかなかならないけれど」と言う記事で、マンションの前にリニューアルオープンした墨田区総合体育館に通って泳ぎ始めた事を書きましたが、飽きっぽくて、気まぐれな自分の性格を考えて、体育館が開いている時にはいつでも入れるパスを買って、好きなときに好きなだけいられるようにしたのと、「無理をしすぎていやにならないように」と言うことを心がけて、1ヶ月が過ぎました。

  そんな通い方ですから、プールで開かれている「スクール」も偶然時間が合った時だけ入れてもらう事にして、スクールに入ることには拘らないようにしていました。
  そんな私がずっと気になっていたスクールが「腰痛肩こり改善水泳」と言うスクールですが、毎週水曜日の午前10時20分からと言う、とにかく朝動くの苦手な私にとっては、きつい時間に開かれているものでした。

  5月5日(水)、こどもの日で世の中連休なのに、なぜか体育館では通常通りスクールを開催していて、「世間はせっかくお休みなので、何か変わった事を私もしよう」と思って、前の日から支度をして、「腰痛肩こり改善水泳」に出かけることにしました。

  冒頭にまず教わった事は、きちんとした姿勢で立つこと、つまり「踵と親指と小指の3点にきちんと体重をかける」こと。次に「肩胛骨の動きを意識する肩回し」、「膝やももやつま先などに意識を集中する歩き方」等々。普段使っていない筋肉に次々に意識を集中させて「なるべく大きく」「なるべくしなやかに」と言う、そんな指導を受けながら45分間、プールの中をいろいろに歩きました。

  私が一番苦手だったのは、後ろ向きに歩くこと。最初は全然できなかった。それから、とにかく足を一杯に大きく前に出して歩くこと。これも最初はちっとも上手く出来なかった。
  しかし、何回もやっている内に、少しずつできるようになって、プールから上がった時、普段は全然意識していない筋肉に疲れを感じたので、きっと少しは動かす事ができるようになったのかなと思いました。

  スクールの後で私が「足が悪いのでなるべく使わないように、かばってばかりいたので」と言うと、「だから余計に使うようにした方が良いんですよ」と先生。
  「これから筋肉を強くすることはできないけれど、維持することはできるし、水の中は転んだりしないから思いきって動かしたらいいんです」と先生に言われました。

  一緒にスクールを受けていた同年代の女性曰く「これからはこんな良いコースがあるから、私たち団塊の世代は、元気でうんと長生きしてしまって、社会も困るかもね」と行ったら、先生が「これからは団塊の世代がこういうスクールの大事なお客様だから、だからもっと良いコースができますよ」と言われました。

  これからのアスレティッククラブの大切なお客は団塊の世代。「そうだよね」だから、確かにその方達に向く健康維持のためのスクールが一杯「アクアウォーク(水の抵抗を利用して歩く)などなど。
  そうか、私たちが無理せず健康を維持できるようなスポーツが、これからもっと研究されるんだな、良い時代になって来たな。などと感心しながらプールを出ようとしたら、入り口に車いすがおいてありました。
  私思わず監視員の方に「車いすを使用している方が泳いでいるのですか?私障害者スポーツを研究しているので興味があって」と聞いたら、「あの人です」と教えてくださって、「上に車いすのままプールに入れる特製の車いすも用意してありますよ」とか「平日の午前中には、車いすに乗ったこどもさんが泳ぎに来ています」と教えてくれました。

  ちょっと前までは障害者用の設備があっても、実は利用している人はほとんどいなかった、特に一般の人と泳ぐプールには利用者がほとんどいないと言うのが実情でした。水着になると、体の形が丸見えになるし、他の人の目が気になると言うのが実感。
  でも、今は違うんだな、本当にみんなの意識が変わって来たのだと、私は1人で感激して、そして、この前の記事にコメントを書いていただいたように、ちゃんと交渉して施設の写真を撮らせてもらおうと思いました。

  もう一つ。今介護保険で介護予防のクラスと言うのをやっています。また、障害者スポーツセンターでは「障害者のリハビリプログラム」などと言ったことも行っていますが、「介護予防」だの、特別な「障害者クラス」だのをつくるのも良いけれど、この総合体育館でも、もうちょっと工夫したら、少し障害のある人や、高齢の人も通って楽しめるのにと思いました。
  私を教えてくれた先生方も、別に私の障害を特別扱いせずに、スポーツを指導してきた知識の中で、教えてくださっています。もしここにちょっと理学療法の知識のある方も加わったら、もっと良いプログラムができるのにと思いました。

  65歳以上の墨田区民は、2時間250円で入場して設備を使えますが、スクールに入るには別料金が必要です。「介護予防」などと言う所や、要介護状態になってから、こんなにお金使うのなら、その前に、もっと健康を維持するために政府も私たちもお金使った方が良いなと思いました。
  長くなってしまいました。今日はこれで。