歩行車と段ボール箱

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歩行器の椅子の部分に食料品をつめた段ボール箱を置いて

 原稿の締め切りに追われたり、視覚障害リハビリテーション協会の仕事で浜松に出張したりして、全然買い物に行けなかったので、私の冷蔵庫の中には、まともに食べられるものがなくなってしまった。
 タイミングの悪いことに、高知から持って来た調味料もそこをついているし、トイレットペーパーもなくなりかけていて、今日はどうしても買い物に行かなければならないことになった。そしてその買い物の量も沢山になってしまった。

 まず、100均に行って、コーヒーを飲むためのコーヒードリップとか、フィルターとか、冷凍用のタッパなどかさばるものをいっぱい買って、それを歩行車の前かごに入れた。

 それから、1時間以上かけて買い忘れのないようにと、ゆっくりゆっくりとスーパーの中を周り、野菜だの仏様に供える花だのトイレットペーパーや調味料を買い込んだ。
 そうしてレジに行ったのだが、さてこの沢山の荷物をどうやって安全に歩行車で運ぶかが大問題になった。

 レジを担当している中年の女性が「普通に袋につめて大丈夫ですか」と聞いて来た。私が思案顔でいると、「あそこの段ボール箱に入れて、その台の所に置いたらいいですね」と言ってくれて、歩行車の椅子の幅に合う段ボール箱を探してきてくれ、手際よく荷物をその中につめて、椅子の上に置いてくれた。
 その様子が最初の写真である。

 袋につめた食料品は、形も変わるし安定しないけれど、段ボール箱ならしっかりしていて安定する。これ、とても良いアイディアだ。ただ、こんなにうずたかく積み上げると、背の低い私は、前が見えなくてちょっぴり危険だ。

 今日は雨が降っているので、スーパーとマンションをつなぐ通路を通って帰ることにした。例の分厚いドアをどうやって通り抜けようかと思っていたが、ちょうど買い物帰りの方たちがドアを通るところで、快くドアを押さえていてくれて、難なく通り抜けられた。

 歩行車の椅子の所に段ボール箱を置く。こんな小さな工夫で、歩行車の使い勝手が良くなって、私の生活も改善される。この歩行車に関連して、まだまだ面白いこと沢山おこりそうな予感がする。とっても楽しい体験だった。