平成21年度障害者自立支援機器等研究開発プロジェクト研究成果一般公開に参加して

 3月8日(月)に厚生労働省の合同庁舎で、見出しの長い長いタイトルの一般公開があった。
 視覚障害関係も6件公開があるとの情報を得て、見学することにした。

 機器展を見学する前に驚いた事は、厚生労働省に入るまでのチェックの厳しさ。地下鉄丸ノ内線の霞ヶ関駅から厚生労働省に直接入る入り口の所に、最初の関門があり、用件を聞かれ、顔写真付きの身分証明の提示を求められた。建物の中には受付があって、そこでまた確認をした上ICチップのついたプレートを渡されて、それをゲートにかざしてようやく中に入れた。なんと厳重なことか。

 17階の会場に続く廊下は省エネかエコかは分からないが、天井の蛍光灯がほとんど外されていて薄暗く、視覚障害者には不適切な環境であった。
 参加者総数160名との事であるが、会場が狭く、人で一杯、しばらく見学をしていると汗びっしょりと言う感じであった。

 プロジェクトに参加している団体の一覧は、下記厚生労働省のアドレスで見ることができるので参照して欲しい。
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/other/jiritsu06.html 

 視覚障害関係6つの中で特に印象に残ったのは、携帯電話のメールや家電製品の情報を簡単に点字に直して表示できるシステムとシナノケンシが出していたiPhoneを活用して文字を拡大したりSPコードを読んだり、ネットからデージー図書をダウンロードしてそのまま聞くことができるソフト。
簡単点字ディスプレーの仕組み説明パンフ


点字ディスプレーをモニターしている所
 GPSを使って視覚障害者の歩行を補助する機器等であった。

 視覚障害以外の6件は、脳の電磁波を使ってスイッチなどを操作する重度障害者用の機器、カメラと赤外線を使って障害物やくぼみを見つけると自動的に止まる電動車いす。簡易の電動車いすが5㎝ほどの段差を安全に乗り越えるものなどが興味を引いた。

上につきだしたカメラを使って障害物を感知する車いす
(写真は障害物を上のセンサーで感知してよけたり停止したりする電動車いす)

 いずれの機器もまだ開発途上で、実際使えるようになるのはずっと先のものばかり。
 でも、見ていると自分の将来にも、そして障害者の将来にも夢と希望が持てそうになって来る。

 今までいろいろな機器展を見てきたが、ここはユーザーと開発している技術者と、そして研修者が熱心に議論を戦わせている、どんな機器展とも違う雰囲気であった。

 2時間半見学を続けて、立っているのが本当に辛くなったので会場を出たが、まだ半分しか見ることができなかったのが、とても残念だった。