久しぶりに臨床の現場に出て思うこと

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 あっという間に12月になった。私の退職まで4ヶ月を切ったので、きっと、瞬きしている間に退職になるのだろうと思ったりするほど、本当に時間の経つのが早い。
 
 そんな中、12月6日と7日の二日間、四万十で行われた視覚障害者向け機器展示会と相談会に出張するチャンスがあった。
 12月6日(土)は、この冬一番の寒気団が来て、とても寒い朝だったけれど、久しぶりの遠出と臨床の現場に出られることとで、私の気分は高揚していた。

 12月6日は、中村駅近くの小島眼科の依頼を受けて、眼科の二階食堂にルミエールサロンの器機を持ち込んで、機器展示会を行った。

 午前9時半頃現地に着いて、急いで準備をしていると、待ちかねたように家族と一緒に視覚障害当事者の方が現れて、10畳ほどの広さの部屋は、人と器機で一杯になった。
 眼科での器機展示のせいか、拡大鏡を見たいと言う人が多いようで、私も説明に汗だくとなった。

 説明をはじめてすぐ気づいたのは、レンズに対する私の知識不足と、自分の説明が、相手のニーズに応えるような説明になっていなくて、いわゆる指導になってしまっていることだった。

 「主人の代わりに来たんですが、今もっているルーペより見やすいのを選んで来てくれと言われたので」といって入って来た奥さんは、ご主人の普段使っているらしいルーペと見比べながら品物を見て、「これ私が見て、主人のもっているのよりずっと見やすいから、これを注文する」と言っているのを聞いて、「当人が来ないで勝手に決めてどうするんだ」と、すぐにむかーと来てしまって、相手の事情を考えるゆとりを失ってしまった。

 すごく気が短くなって、つい「そんなんじゃだめですよ」を連発している自分に嫌気がさした。
 「やはり私は、臨床には向いていないのかな」などと、ちょっぴりがっくり。
 そんな私の気持ちとは裏腹に、小島眼科での器機展には、10組19人のお客様が来てくれて、大成功だった。

一人の相談者にじっくり時間をかけて器機の説明をしている所  広い室内にルミエールの器機が展示されている
(二枚の写真は、難病連相談会での風景)

 12月7日(日)は、難病連が年に2~3回開いている相談会での器機展示と相談会で、同じ地域で二日続いたせいか、あまり人は来なかったけれど、珍しくこどもの相談が3件あって、盲学校の教育相談の先生たちが大活躍をした。

 とてもうれしかったことは、3年ほど前の中・四国眼科医会の大会の時に講師で来られたドクターに相談に乗ってもらった当時4ヶ月の男の子が、とても元気に大きくなって、走り回っていたことだった。

 私にとって、二日間の相談会は、本当に久しぶりの現場だった。二日目も遮光眼鏡の説明で間違ったことを教えてしまって、後から慌てて訂正をしたり、器機に対する知識不足をいやというほど感じたり、自分の気の短さにがっかりしたりして、ぐったりと疲れたのであるが、それでもやはり現場は良いなと思う。
 研究室にいては、とてもつかめない実態が生で伝わって来る。少し生き返ったような気になる。

 だけど、私は、臨床向きではないのかもと思う。そんな私が現場に出て、そしていろいろと感じて、こういう私の役割と言うのは何だろう。
 つくづく考えさせられた二日間であった。