(パラオの有名はブルーホールで知人と2人でガイドさんに写してもらった写真)
大物だけでなく沢山の小生物も見ることができたのは、専属でついていただいたガイドさんの「見せる力」のすばらしさのお陰である。
今回再び確信したのであるが、私のようなロービジョン者がとても見ることができないだろうと思っていたものを見ることができるようになるための、もっとも大きな要素は、見せ手の専門性と熱意、そして、見せようとする人のためにかけることのできる時間なのだ。
パラオであまり沢山のものを見たので、とても一つの記事にはまとめられない。そこで、この記事は、私が見ることができて、しかも写すことが出来た小生物を中心にまとめて見た。
どれも私にとってはやっと見ることができ撮影できた写真だ、写真としてはへたくそなものだけれど、私の「見えた」喜びを、皆さんも味わって欲しい。
ダイビングショップからほど近いポイントは、白い砂地とサンゴがきれいな癒し系のポイント。
白い砂地の上のあちこちに黄色いギンガハゼがいた。背中の青黒い点々が特徴的。
「こんなに銀河が一杯で、ここはまるで宇宙みたいですね」とガイドをしてくれた誠一さんのしゃれた台詞が印象的。
ギンガメアジなど大物がいる有名なブルーコーナーの崖下、水深32メートルの穴の中になかなか見ることができないヘルフリッジとアケボノハゼがいるとのことで、「見て見ますか」と誠一さんに言われて「是非」と言うことで潜って行った。
私と友人の2人をガイドの誠一さんが案内して潜るわけで、友人は普通に目の良いダイバーなので自分でいろいろと被写体を見つけて撮影をしている。そんな訳で、私は見たいものが見られるまで遠慮もせずにじっくりと見ることができた。
32メートルの深さだが、左のヘルフリッジは20枚以上写した内の1枚、そこで沢山時間を使ってしまったので、アケボノハゼは撮影しないで見るだけと言うことだったが、1枚撮ったのが右の写真、何とか写っているが、とても見にくい。ただどちらも私の肉眼ではっきり確認できた。ヘルフリッジは本当にきれいな色をしていた。
ブルーホールはダイナミックな地形を楽しむポイントだが、その暗い壁の穴に、ライトで照らされて赤く怪しく光ものを誠一さんが教えてくれた。ウコンガイの一種なのだそうだ。
写真ではとても上手く写せないが、えらの動きに従って赤い光が微妙に変わって何とも言えない美しさだ。
「ニシキテグリはエダサンゴの中を動き回るので、私は実物見たことがないんです。臆病だし見るの無理ですから、あきらめています」と誠一さんに言ったところ、「何とか見てもらいましょう」と言って、14本目のラストダイビングは、水深2メートルの浅瀬でニシキテグリ探しとなった。
まず、誠一さんが「マンジュウイシモチ」をサンゴの中に見つけて、私に教えてくれた。これは、シャンデリアケーブのポイントで、何回か見たので、私にもすぐに分かって、何とか写真に写すことが出来た(左の写真)。
しかしニシキテグリは、やっぱり難物で、何度も誠一さんが見つけては教えてくれるのだが見ることができなかった。
そこで、まず誠一さんが撮影して、水中で再生して私に「これです」と見せてくれた。それが右の写真である。
その写真を見て、イメージができたせいか、目が慣れて来たのか、それから3回ほど生でニシキテグリを見ることができた。写真を自分で撮るのは、とうとう成功しなかったけれど。
このラストダイブ、1時間以上、ニシキテグリを見るために使ってくれた、ガイドの誠一さん、そして私の友人、本当にありがとうございました。
見せる側の専門性と熱意と、そして長い時間。そして、見る側の方の知識の蓄積。これが相まって、沢山の小生物を見ることができた。
私のダイビングの世界は、まだまだ広がりそうだ。