私の勤務している大学では、1年生に入学してきた学生を担当すると、その学生たちが卒業するまで4年間担当が続くというシステムがある。
クラス担当はほぼ順番に回ってくるのである。
4年前、私もクラスを受け持った。
「障害のある私がクラス担当ができるのか?」{私がクラスを受け持つと学生に不利益になるのではないか」など沢山の不安を抱えてのクラス担当であった。
クラス担当になると、入学式に学生の名前を読み上げなければならない。普通字で書いた原稿は読めないし、名前を暗記して、もし間違えたら、学生にとっては、一世一代の入学式である。
そこで、苦肉の策として何十年ぶりかで点字板を持ち出して、学生の名前を点字で書き、当日式場で読み上げたのである。後から聞くと、周りは誰もそのことに気づいていなかったようであった。
こんな風に不安一杯で始まった私のクラス担当だったが、私の心配など吹き飛ばすほど学生たちはとてもたくましかった。
あっという間に4年間が過ぎて、この3月に卒業する学生たちは、すごく成長した。そして、その学生たちに助けられて私も一緒に成長させてもらった。
(大学の中庭で卒業アルバムの記念写真。学生42人と先生たち)
昨日、卒業論文の発表会があり、そしてその夜3年生が企画してくれた「卒業生を送る会」が盛大に行われた。
その「卒業生を送る会」のクライマックスで3年生と先生方が合唱した「門出」という歌は、実は昨年の「卒業生を送る会」の時に、その時3年生だった現4年生のHさんとNさんが2人で作詞作曲したもので、私もとても気に入っていた。
その歌を現3年生と一緒に歌いながら、涙が込み上げて来た。
作詞・作曲者の許可を得て、歌を公開するので聴いて欲しいと思う。録音状態が良くないので音に少しひずみが出るが、我慢してください。
門出ファイルをダウンロード
(写真は卒業生を送る会をやり終えて喜ぶ3年生たちとの記念撮影)
42人の学生たちは無事卒業して行く。ほっとしたような寂しいような。何ともいえない気持ちである。