南口さんと過ごして思ったこと

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  「お久しぶりです。ガーナより吉野ゼミOBの南口です。アクティブにご活躍されている先生を拝見できて、嬉しいです。こちらもガーナのよさこい祭りでリハビリテーションセンターの人達と「てんてこ舞」のようなダンスチームを立ち上げようと現在ガーナ人と一緒に奮闘しております。開催日は11月3日なのであまり日はありませんが・・・・私は相変わらず元気です。ガーナより吉野先生のブログ更新を楽しみにしていますね。では、またお会いできることを楽しみにしています」

 というコメントをよせてくれた南口さんが、国際協力の専門家となるための長期研修一時試験に合格して、二次試験を受けるために一時帰国することになりました。
 そして、この機会を利用して母校の後輩達に青年海外協力隊での経験を話してくれることになりました。

 せっかくのチャンスなので、彼女のことを広報できるように、私も少しだけお手伝いをすることにして、10月18日・19日を南口さんと過ごしました。私にとってもすてきな体験でした。

 南口さんがガーナでどんなことをしているかは、青年海外協力隊の「日々広がる新しい世界」の記事を読んでいただくことにして、高知で過ごした二日間のことを書きたいと思います。

 インタビューを受ける南口さん 後輩達と楽しい交流風景
(左の写真は緊張気味にインタビューを受けている所 右は後輩達との交流風景)

 「高知で青年海外協力隊での活動やガーナの障害者の実情を沢山広報したい」という彼女の希望に応えて、高知新聞社やNHKに取材依頼をしたところ、関心を持ってもらえて、18日も19日もハードスケジュールになってしまいました。
 
 ゼミでの2年間の付き合いの中でも、「自分は何をしたいのか分からない」と迷い、登校拒否にもなったと語る彼女。そして卒業した後でも、まだ自分探しを続けていた彼女。それがちょっとしたきっかけで「アフリカでのエイズ対策を中心とした活動」という目標を見つけて、さなぎがチョウチョになるように変わっていった。

 「どうしてガーナなの」、「どうして青年海外協力隊に入りたいと思ったの」という所に関心を持ってインタビューする記者の方達に、一生懸命答えている彼女のそばで、やりとりを聞きながら、彼女の「自分探し」にほんのわずか関わることができた人間として、とても胸の躍る体験をしました。これがもしかして「教師の醍醐味」なのかなと思ったりして。
 後輩達の前で熱心に語る南口さん
(社会福祉学部の後輩に講義をしている所)

 「2年前に高知にきたときには、自分の思いをちゃんと後輩に伝えられなかったから、今回はきちんと伝えたい」といって、ハードスケジュールの中、準備をしてくれて、熱心に語りかける彼女。それを聞きながら、また胸の熱くなるような思いをしていた私です。

 気候も食べ物も文化も違うガーナの地で、2年間という短い任期の中で「自分がいなくなっても現地の人達ができるように何かを残したい」と日々がんばる彼女を横から見ていると「スーパーマン」に見えるのですが、実は普通の人間です。
 その普通の人間がどうしてこんなにがんばれるようになったのだろうと考えると、それはきっと「自分のやりたいことは何」と考え続けて妥協せず、やりたいことが見つかったら後は脇目もふらず挑戦する、そんな姿勢なのかなと思いました。

 今あまりにも忙しくて、偏差値などで輪切りにされて、「自分探し」をする前に「あなたの限界はこの程度」と、どこかから規定されて、「そんなもんかな」と思って、そこそこの所に目標を置いて、そんな風にせざるを得ない若い人達が多い。社会の無言の圧力かなと思ったりして。

 それを乗り越えて「自分」の能力を高めていった人にほんの少し手が貸せて、本当にすてきな体験をした二日間でした。
 24日にガーナに戻る南口さん、体に気をつけて、残りの1年を充実した時にして下さい。もし、機会があれば、ガーナに訪ねて行きたいですが。

 所で、10月23日(火)午後6時10分からのNHKテレビ「高知丸ごと情報市」の中のインタビューコーナーで南口さんが出演します。
 また、来週中には高知新聞の方でもインタビュー記事を載せてくれるようですから、興味のある方、是非見てください。