ある実習訪問日記

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 私の大学では大卒の資格と共に必要な科目を履修すると社会福祉士、精神保健福祉士の国家試験受験資格を得ることができるようになっています。
 この資格を得るためにどうしても履修しなければならない科目に、実習科目があり、社会福祉士の現場での実習は4週間、精神保健福祉士の実習も4週間です。
 学生が施設や病院で実習している時に、私たち教員は2週間に1度、その学生の実習先を訪問して、様子を見たり、受け入れてくれた実習先の関係者と話し合いをすることになっています。これがいわゆる実習巡回というものです。

 私の大学は少人数教育が売りで、学生が望む実習先にできるだけ行かせるという方針をとっています。そんなわけで、今年の夏、私たち教員は南は沖縄から北は岩手まで、手分けして実習巡回に回ります。

 今年私が担当している学生が京都で4週間の精神保健福祉士の実習をしているので、昨日私は京都までその学生の様子を見にいってきました。

 朝6時40分に高知の自宅を出発、空港行きのバスに乗り遅れたので、空港で朝ご飯を食べる暇もなく、8時半の伊丹行きの飛行機に乗り9時10分に伊丹着。
 目的の施設は京都市内で、地図を見たり電話をかけたりして事前調査をしてはいるのですが、とにかく方向音痴で足も悪い私ですから、施設の近くに行かないと心配なので、京都行きのシャトルバスにすぐ乗りました。

 約1時間で京都駅に着き、地下鉄に乗れと書いてあるので、その地下鉄をまず探して見ました。ロービジョンの私ですから、標識の近くまで行かないと字が見えないし、階段や段差が結構気になって、ゆっくり歩いて地下鉄を探すのに15分かかり、そこから目的の駅まで10分。

 目的地に着いたら11時15分ぐらい。約束の時間は午後1時ですから、とにかく早すぎます。約束に遅れるのはいけないですが、早く行きすぎるのもまずい。それでお昼を食べて、時間をつぶせるところを探しました。

 所が、その駅は高級住宅街のど真ん中にあって、喫茶店も食堂も見つかりません。仕方なく近所の方らしき人を捕まえて聞くと、地下鉄の上のビルがいわゆるショッピング街で、そこにレストランがあると教えてくれました。

 ここから近いようなのですが、私の足ではいったいどれぐらいかかるのか心配で、12時10分ぐらいにレストランを出て、地図を頼りに、4人ほどの通行人に道を聞きながら、ようやく12時45分に目的の施設に到着しました。さっさと歩けば私の足でも15分はかからない距離でしたが、あちこちで迷ってしまって。とにかく昨日の京都は空が真っ青で、暑いこと暑いこと。

 とにかく約束の時間に遅れず、ひどく早く着き過ぎもせず、無事目的地に到着。
 担当の学生の元気そうな顔を見て一安心。本当にほっとしました。

 実は、学生にとって実習は結構プレッシャーなもので、実習中にすっかり落ち込んでしまったりすることも時々あって、学生と話すまでは心配なものなのです。

 施設のスタッフの方とのお話しも無事済み、午後2時半に施設を出て、一路京都駅に、そこから伊丹空港に。午後6時40分高知空港に着き、自宅にたどりついたのは7時半過ぎ。

 家に帰ってきたらさすがにどっと疲れてしまい、お風呂に入って寝てしまいました。

 京都日帰りは私の都合なので文句は言いませんが、馴れない土地、初めての訪問先、学生は元気で無事にやっているか等々、実習訪問は結構骨の折れる仕事です。いろいろな現場のいろいろなことが見られて勉強になりますし、大学では見られない学生の一面を見ることができて、実習を終わって大学に帰ってくる学生の成長ぶりを見るのもうれしくて。
 実習教育というのはなかなかに実りの多いものです。

 けれど、障害があって少々年をとってきた私にとっては、ちょっぴりきつい面もあります。
 さて、また一つ難関を突破、後七つ寝るとインドネシアでのダイビング。もうちょっとがんばらなければ。