成田からプーケットまでのこと
写真は、私が持ち歩くスーツケースです。
私がダイビングを始めた時からの大問題の一つは、機材や衣類を入れたスーツケースの大きさと重量のことでした。
今、海外のダイビングショップでも、きちんとメンテナンスの行き届いた機材をレンタルすることができますが、扱い馴れた機材を使いたければ、自分でもって行くしかありません。それに、私は身長132センチ体重は60キロを超えるので、私に合うようなウエットスーツは絶対にありません。そこで、全部もっていくことになります。
空港での荷物の扱いは、結構荒っぽいですし、布などの軽い素材でできているものは、ナイフなどで切り裂かれて中のものが抜かれるおそれもあるので、しっかりしたハードケースに入れて行かなければならないのです。そこで、スーツケース自体が7キロとか8キロになってしまいます。それに機材や衣類を詰め込むと、すぐに30キロを超えることになります。
想像してみてください。片手に杖を持った132センチの身長の私が、90cmもある大きなスーツケースを転がして、背中にはダイブコンピューターやカメラなどという貨物室に預けられない精密機器の入ったリュックを背負っている姿を。
スーツケースは、自宅から空港までの往復宅急便を使って運び、手持ちのものは、7キロぐらいにおさえて、手で運んで、日本の中での移動は何とかクリアー。
でも、空港でスーツケースを受け取ってチェックインするまでが一苦労。
大きくて重いスーツケースをもって、物事上手くやるには、とにかく時間をたっぷり見ることで、朝7時15分からの受付でしたが、6時半には空港に着いていました。とにかく時間に余裕を持っていれば、たいていのことは何とかなるというのが、私が今までに会得した事態の切り抜け術の一つです。
でも成田空港は、とにかくまだ日本ですし、日本語も通じるし、問題はバンコックでのプーケット行きの乗り換え。
バンコック国際空港は、オープンしたばかりで、だだっ広く、プーケット行きのゲートは、電光掲示板に表示されるので、私には見えないし。そこで、成田でのチェックインのときに、車いす使用をお願いして乗り切ることにしました。
「眼が悪いので表示が見えないので案内してください」というのは、どこでも通用しないので、車いすを要請するのが一番でした。重い手荷物を運ばなくても良いですし。
これで、プーケット空港までは、スムーズにたどり着けました。
ところが、空港のターンテーブルからスーツケースを受け取るとき困ったことになりました。
ちょうどドイツからの客が、沢山乗っている便でしたが、すごい量のスーツケースが、積み上げられるようにして出てきます。三つぐらい折り重なっていて、どれがどれやら分からない。
その上、どんどんターンテーブルから下ろして、あちこちに集められてしまうので、いよいよ分からない。
1時間もうろうろと探し回り、とうとうテーブルは止まってしまい、仕方なくクレームタグを照りかざして、下手な英語で「私の荷物がない」と叫んでまわったら、すごく太った現地の係員が、タグをもってどっかに行ってしまうし。
泣きそうになっていたら、そのおじさんが私のスーツケースをもって「ついてこい」といった感じで、フリーパスで税関を通り抜け、やっとの思いで、迎えにきていた現地の旅行者の人に会えたときには、本当にぐったりでした。
迎えにきていた人も、本当に心配してくれていたみたいです。
こうして何とか、現地のediveにたどり着けました。