左の写真 母の誕生日に介護の職員の方がつくってくれたカード
右の写真は、今日の母(うとうととしています)
先週末は、東京に出張、昨日は、夜遅くまで会議があって、今日もまた、授業と夜の講習会の合間をぬって母の所に行きました。
病室に入って行くと、ちょうどリハビリの方が母の足をさすっていてくれる所でした。「お母様25日誕生日だったんですね」と言われ、消灯台の上に置いてある誕生日カードを指し示されて、そうだったと、私は、突然母の誕生日を思い出しました。
母は、この25日で86歳になりました。
母は、足をさすられながらうとうととしていて、なかなか私に気づいてくれませんでしたが、何度か呼びかけると目を開いてこちらを見て、分かったようでした。
「ゆっくり話してくださいね。」と言ってリハの方が帰った後、またひとしきりうとうととしていましたが、目を開いてこちらを見たタイミングに「お母さんいくつになったの。もう86歳だよね」と私。でも、まだはっきりしない様子でした。
「ねえ、来年でお父さん死んでから12年経つんだけど13回忌って来年やるんだったっけ」と私。
実は、忙しさや何やかにやで、父の7回忌は、すっかり忘れていて、あっと思った時は、もう過ぎてしまっていたと言う、そんな苦い経験をしていましたし、父の13回忌までは見届けたいと、いつか母が言っていたことを急に思い出して、うとうとしている母にそんな質問をぶつけて見ました。
そうしたら、意外にもはっきりと「そう、来年やらないとね」と言う返事が戻って来て、とても驚きました。
そんな短い母との会話の後、またうとうとと眠ってしまった母。
「ああ、こういう風に徐々に弱って行くんだな」と母の顔を見ながら考えている私。
帰り際にまた、リハの担当の方に会って「だんだん意識がぼんやりして行くんですね」と言ったら、「私もできるだけ声をかけて見ますね」と言ってくださいました。
そう、私ももっと来て、母に声をかけて刺激を与えて、と、そう思う一方で、87歳になって、長いこと病気と闘って、このまま穏やかに、違う世界に旅立って行ってもらいたいと言う、そんな気持ちも動きました。