「見える喜び」のインタビューを受けて

 ある日、私と同じように「視覚障害者の相談支援」をしている友人からメールが来て、加齢黄斑変性の患者さんや家族に向けて出版されている「定期購読誌 見える喜び」に「ロービジョンの方に必要な災害対策」と言うテーマで、編集者とライターが話を聞きに行くので、インタビューに答えてくれないかと言う依頼があった。
 「え、ロービジョンの方への特別な災害対策なんて対してあるわけでないし」と、少々戸惑ったが、東日本大震災の後、災害対策のマニュアルに、少し書いたことを手がかりに、インタビューに答えることにした。
 そうして、その時の記事ができてきた。その内容を、出版元の許可を得て、PDFデータで掲載するので、内容を見て欲しい。ロービジョンケアをしているものなら、この「定期購読誌の記事」の良さが分かると思う。
 定期情報誌_2014年9月号.pdf

 実は、インタビューを受ける前に、私の方からは、「人生の半ばでロービジョンのという障害になった方は、特にまだある程度見えている方は、自分の障害を受け入れられないし、障害を隠したいと言う気持ちが強く働く」「障害について認めないとか、隠す気持ちがあると、周りに理解してもらえないし、支援を求められない」「障害を認めて、周りに理解してもらうことが一番大切な災害対策」と言うような内容の話になってしまうのだが、それで良いですかと言うようなことを言った。つまり具体的に「これをすれば良い」と言う話にはなりにくいと言った。編集をする側の方が「それでも良い」と言うことだったので、インタビューに答えさせていただくことにした。
 障害を認めること、そして障害を持っても前向きに生きることと言うのは、ある意味で、視覚リハの最終的な目標になるがけれど、すごく難しい。こんな話題をどのように処理するんだろうと思っていたら、さすが「プロの方はすごい」と思った。記事の中で「普段からいろいろな工夫をして、前向きに生きることが災害を乗り切る力になる」と言うような書き方をしておられて、確かに私は、そういう内容を話したと思うけれど、私の話は、なんだか重くて、それを、こんなに前向きに有効にとらえて書いてくださっている。すごく勉強になった。
 それと、どんな冊子かを私が理解できるように、以前に書かれた記事をいくつか読ませていただいたのだが、この「見える喜び」、加齢黄斑変性と言う疾患のことを、とても分かりやすく書いているだけでなくて、ロービジョンのある方一般に通じる「ロービジョンケア」の最新情報について、イラスト入りで分かりやすく紹介している。ロービジョンの方の支援をしているものに取って、これすごく役に立つと思った。
 この冊子は、広く一般に配布しているものではなくて、加齢黄斑変性の患者さんや家族に配布されているものらしい。だが、ロービジョンケアに携わっている人たちは、一見の価値があると思う。