潜れて撮れて私に自信が戻って来た

楽しそうに水中散歩をする私
(写真は、クルーズ1日目楽しそうに泳ぐ私をガイドさんが記念撮影してくれたもの)

 10ヶ月ぶりで、タイのアンダマン海のシュミランクルーズに行って来た。
 3月一杯で高知女子大を退職したが、その後、第18回視覚障害リハビリテーション研究発表大会の準備で忙殺されて、とても忙しかったので、退職したという気分になれなかった。「退職して時間が自由なんだ」と言う気分を、精一杯味わいたくて、2クルーズを連続して潜り、併せて14日間の滞在と言う、豪華なスケジュールを組んでもらったのだ。

 こんな風に書くと、いかにもルンルン気分で、意気揚々と出かけたように聞こえるけれど、出かける前、私の心は不安で一杯だった。

 なぜかと言うと、とにかくこの半年で、私の体重は8キロも増えてしまっていた。毎日大学に出かけていた規則正しい生活が退職後一変したせいなのか、とにかくあっという間のぶくぶとり。
 こんなに太ってしまった自分の自己管理の悪さに、まず私は自信を失ってしまった。

 その上、得体の知れない疲れ感が重くのしかかっていて、「大会終わったからダイビングしたいな」「せっかく行くんだから、2回続けて潜りたい」などと言い、手配してもらったにもかかわらず、「ちゃんと潜れるかな」「船のはしごをあがることができるだろうか」「ウエットスーツは着られるか」等々、不安はどんどん増していき、「無理だよ、今回はキャンセルしよう」と言う思いが募って来た。

 でも、今度行かなければ、ずっと行けなくなりそうで、無理矢理自分を押し出すようにして、タイに行ったのである。

 ダイビング1日目、ウエットスーツを着て、海に入り、無事からだが水の中に沈んだ途端、今までの不安が嘘のように消えて行った。
 無重力の世界はすばらしい。手足が自由に動く、それに、マンツーマンでガイドをしてくださる方たちが、みんなすばらしかった。

 最初の3回までのダイビングでは、どうしても自分に自信がなくて、水中カメラも持たずに入ったけれど、小魚の群れや、砂の上のカレーや、穴からかわいい顔を出しているギンポなどを見せていただいているうちに、それらを撮影したいと言う意欲が出て来た。



紫色のイソギンチャクとクマノミの家族

 1日目の4回目のダイビングからカメラを持って入り、私のお気に入りのシーン、つまり丸まったイソギンチャクとクマノミをぱちり。

 毎日4回ずつのダイビングで、疲労がどんどん蓄積されて行くはずなのに、私はどんどん元気になって行った。

 「まだ潜れる」「まだ動ける」、「太っちゃったけれどそう捨てたものではない」と言う自信が、自分の中にみなぎって来て、前向きになって行く自分にびっくりした。

 私も動物なんだ、動いていないと行けないんだとつくづく思った。とにかく来て良かった。まだまだやれそうだなと思えた。
 本当に、キャンセルなどしないで行って良かった。
 まだまだ書きたいことが一杯あるし、乗せたい写真も一杯なのだが、今はこれだけしか書けない。
 また明日書きます。