3月23日から27日と、3月28日から4月1日までの2回のスミランクルーズは、私の26年のダイビング人生の区切りになる700本記念ができただけでなくて、とにかくコンディションも最高、私の好きなマンタや大物の群れもばんばん出てきて、とてもすばらしいクルージングでした。
「満足のいくダイビングの後船をバックに写真に収まって」
「迫力満点のバラクーダの群れをパチリ」
「あこがれのマンタが目の前に迫って来て私のカメラに」
これだけでも私はすごく感激したのですが、実はそれ以上に今回のクルーズで私を感激させたことがありました。それは、いわゆる「小物」とか「マクロ」とダイバーたちが呼んでいる世界、矯正視力0.2のロービジョンの私には、絶対見ることができないと思っていたものを、今回沢山見せていただいて、しかも私自身が撮影することができたと言うことなのです。
ピンぼけだったりして決して上手くないけれど、私の撮った写真を見て下さい。身の危険を感じてすぐ隠れてしまう生物たちの性格を知っていて、そしてロービジョン〈弱視〉がこのようなものを見るのがどんなに難しいか分かって下さっている方たち、私と一緒に感激して下さい。
〈ガーデンイールの一種スパゲッティーイール とても臆病で接近したらとたんに気配を感じて砂に潜ってしまうので、生の姿は私には滅多に見られない、まして写真に撮れるなど奇跡に近い〉
「巣穴から出ていたオーロラシュリンプボビー〈アンダマン海の固有種〉、ハゼも個体によって性格が違うらしい、これは鈍感で随分接近しても巣穴に隠れなかった」
「画面中央の黄色いのがタイガーシーホース〈経つの落とし子の子ども〉、画面では大きく見えるが、すごくか細かった」
「イソギンチャクについているカニ、ひどくピンぼけだけれど、カニはすごく小さくて、私が見ることができたのも奇跡だが、写真に撮れたのはもっと奇跡」
どうして今回私がこんなに小物の世界を楽しむことができたのかと言えば、ほとんどガイドの方とマンツーマンで潜らせてもらったこと、そのガイドさんのいろいろな意味での力量がすばらしかったこと、そして、長い間私に小物の世界をあきらめずに見せようとしてくれていた、大井手さんをはじめとする今まで出会ってきたガイドの方たちの努力のたまもの、水中カメラの性能のアップ、そして私の見たいと言う気持ちと海での経験などが、全部合体して良い作用をして、そして、私はマクロの世界を堪能することができたのです。
私の次の目標は80歳までに800本だと前に書きましたが、ただダイビング本数を重ねるだけでなくて、私のダイビング人生もどんどん広がり進化して豊かになって行くんだなという確信を、今度のクルージングで得た気がします。
これから何に出会えて、またどんな風に進化していくのか、本当に楽しみです。
これまで私を成長させて下さった皆さん、本当にありがとうございます。私はきっとまだまだ成長して新しい世界を楽しみたいので、どうぞこれからも手を貸して下さい。よろしくお願いします。