25年目で新しい世界が開けた

 
 

 上の2本の動画はインドネシアマナドのタラサダイビングセンターのエリさんというインストラクターの方が、視覚障害があって小物は苦手な私に、その場で小物の動きを見せるために撮影してくれたものです。

 度々書いているように私には視覚障害と足の障害がある。矯正視力0.2ということで、ダイビング中に見られるものは、たぶん障害のない方の1/10程度だと思っている。

 私は何度となくインドネシアのマナドでダイビングをしている。
 そんなに繰り返し同じポイントに行くのは、スタッフの方達が私の障害を理解してくれて、私1人でも受け入れてくれるということが大きいのだが、もう一つの理由として、ここは地形がダイナミックで、イソマグロやギンガメアジ、大きな亀などがいつも見られる大物ポイントで、眼の悪い私も充分楽しめるということであった。

 しかし、最近はマナドに来る方達の傾向が少し変わって来たようだ。ここはとにかく生命が豊富だ。いわゆる小物といわれるウミウシの仲間やタツノオトシゴ、様々なエビなどの宝庫。小物好きの人達には答えられないポイントなのだ。
 
 今年は世界的な天候異変のためもあってか、大物がすくなかった。そなんわけでとにかくガイドさんもダイバーも小物ねらいという感じになっていた。

 私は正直海の中にいられれば良いダイバーなのだ。とにかくあの無重力感と、深間に入るとすべてとろみのかかったようになる雰囲気がたまらなく好きなので、珍しい生物が何も見えなくても別に不満はない。

 そんな私に新しい世界を開いてくれたのがエリさん。私と2人で潜って。まず小物を見つけるとデジカメでパチリと撮って、その場で拡大して再生、「これ」といって私に見せてくれる。それから実物をもう一度指し示して、「これ」というふうに工夫して、今までとても見られないと思っていた様々なものを見せてくれた。
 
 私のダイビング歴も25年になろうとしている。「私は無重力がすき。時々大物が見られれば良い」と思っていたけれど、今度のダイビングで、「小物も見てみよう」と気持ちが変わった。いくつになっても新しい世界が開けるってすてきなことである。